弊社ではサイボウズOFFICE4を使用している。
電子会議室をのぞいてみると、過去に何度かディスカッションを試みた形跡がある。しかし、いずれも1~2回の記事投稿で終わっている。
一方Tiariは登録ユーザーの50%近くが日々ログインし、日記・コメントともに一日10件以上の投稿がある。
導入の経緯が異なるので、単純な比較はできないが、社内ブログの有効性を示す事例の一つであると思う。
弊社ではサイボウズOFFICE4を使用している。
電子会議室をのぞいてみると、過去に何度かディスカッションを試みた形跡がある。しかし、いずれも1~2回の記事投稿で終わっている。
一方Tiariは登録ユーザーの50%近くが日々ログインし、日記・コメントともに一日10件以上の投稿がある。
導入の経緯が異なるので、単純な比較はできないが、社内ブログの有効性を示す事例の一つであると思う。
Tiariではポータル画面に、他のユーザーの新規投稿が5件まで表示される。
新着日記をチェックするのに便利だが、実は社内ブログの特徴である「ゆるやかな情報共有」を妨げているのではないか、ブログのプル型メディアとしての特性を損なっているのではないか、と感じることがある。
全ての新着日記がポータルに強制的に表示されるということは、ある意味ユーザー全員にメールをしているのと同じだ。
RSSリーダーではユーザーが能動的にお気に入りとして追加したブログの新着情報のみが通知される。またmixiやGREEなどのSNSでは、友達として登録した自分に関係の深いユーザーに対してのみ新規投稿が通知される。
自分に関心を持ってくれている人に向けて日記を投稿するのと、関心の有無に関わらず全ての人に新着が通知されてしまうのでは投稿者の心理は異なるし、投稿内容にも影響するだろう。(つぶやきや備忘録的な内容の日記を投稿しづらい。)
また、Tiariの新着通知欄は現在5件のみの表示だが、限られたスペースを自分の備忘録的な投稿で消費してよいのか、という気持ちにもなる。
新規投稿が他のユーザーのポータル画面に表示されないようにする、「こっそり投稿機能」など、いくつかアイデアを練っている。
インターフェースデザインや機能デザインのさじ加減一つで、ユーザー心理が変るから難しい。(もちろんそれが面白いところでもある。)
先日の社内ブログセミナーで、参加者から次のような質問があった。
1.グループブログと掲示板の違い
ブログは「個人の場」「プル型」であるため情報発信の敷居が低いといわれる。しかしグループブログは掲示板と同様、公の場的な雰囲気が強くなるのではないか。
2.2007年問題とベテランの暗黙知の形式知化
団塊の世代の情報を彼らが退職する前に社内で共有したいが、ITに不慣れなためにうまくいかないのではないか。
1については確かにその通りかもしれない。これは改めて考察したい。
またマイページに新着記事一覧が表示されたり、社内でRSSリーダーを使用している状況では、例え個人ブログであったとしてもメールで配信しているのと大差ない、と感じるユーザーもいるのではないか。
2については、主催者から回答があったとおり、団塊の世代は「知識や技術を次の世代に伝えたい」「情報を発信したい」と思っているのではないかと思う。ITリテラシーの問題で遅筆かもしれないが、きっかけさえうまく作れば意欲的に参加するのではないだろうか。ちなみに私の父は現在62歳だが、積極的に掲示板等に情報を書き込んでいるらしい。(社内ブログでブログに親しんだ人は、退職後の趣味に個人ブログを始めるかもしれない)
社内ブログツールTiariはこれまで非公式に一部の社員で使用してきたが、現在、全社展開に向けて、準備を進めている。
来週末にはリリースできる予定だ。
全社展開にあたって懸念していることは、
・ユーザー数が増えて、日記の更新数が増えた結果、全ての新着日記をフォローしきれなくなる
という点だ。
(個人的にも、mixiで友人(マイミク)が増えた結果、全ての新着日記をフォローできなくなったという経験がある。)
解決策としては次の3案を考えている。
1.「7月20日の日記一覧」など年月日指定で全てのユーザーの日記タイトルを一覧する機能を付加する
2.特定のユーザーのみを「お気に入り」として登録し、お気に入りユーザーの新着日記のみを表示する欄を追加する
3.日記の既読/未読を管理する
2はGREEやドリコムオフィスにもある機能だが、お気に入りユーザー以外の日記を読む頻度が減ってしまう可能性があり、3はやや実装に工数を要する。そのため1の機能追加を考えている。
全社導入によって一気に日記更新数が増えれば、の話だが。。。
社内ブログ/社内SNSに可能性を感じながら、自社への導入について上司を説得できない、費用対効果を証明できない、という方が多いのではないか。
私のケースでは、
社内ブログに限らず、IT導入施策はトップのコミットメントがないと成功しないだろう。その意味では、私の例は恵まれたケースといえる。
弊社の社長が自身のブログで、社内ブログについて下記のようにコメントしている。
そんな中、最近はやりの社内SNSで本社の各メンバーや出先の社員がコミュニケーションを取りはじめました。まだ非公式なので全員に周知していませんが。
あるときは自分が読んだ本についてエントリーしたり、あるときは開発中のシステム機能についてスーパーバイザーからニーズを聞き出したり、またあるときは自分の趣味などをエントリーするなど、それぞれの社員がそれぞれなりに活用しています。
(中略)
導入前と後で、少なくとも活用しているメンバーの距離は近くなっていると思います。
(中略)
VXGの皆さん、積極的に活用してください。遊びではありません、大事なコミュニケーションです。
まだまだ事例が少ないことから、社内ブログの費用対効果を示すことは難しいだろう。社内ブログ導入の提案にあたっては、トップにいかに「面白い」と思わせるかが重要だ。
もし上司がSNSのユーザーではないのなら、既存のSNSに招待してしまうことが説得の近道かもしれない。(SNSは複数存在するが、ビジネスユースにはGREEが向いていると思われる。)
なお、社内ブログツールTiariはこれまでは非公式の試みだったが、公式な社員間のコミュニケーションツールとして社内リリースする予定である。現在、勤務先の環境によっては社内ブログにアクセスできない状況だが、社員全員がアクセスできるよう、システム管理部門に環境構築の準備を進めてもらっている。
事業会社で社内のナレッジマネジメントの推進に従事するToggy氏が、社内ブログ導入事例を個人のブログ上で紹介している。
私の試みが、非公式の草の根的なものであるのに対して、Toggy氏は専門家として社内ブログの活性化のより踏み込んだ施策を行っているようだ。
A:「俺の書いてるブログの評判はどうなの?」
B:「Aさんのブログの評判っていいですよね。皆、面白いって・・・」
C:「面白ければいいのでしょうか?我々の仕事は面白いこと伝えるのが仕事ではないと思います。」
D:「アクセスが上がったのはいいですが、営業がこんなのばかり見ると、頭でっかちになって営業時間がそがれるのではないでしょうか。」
E:「僕は、(ブログに)仕事に直結しないようなくだらない愚痴を書いたりしているのですが、これのおかげで、僕へ直接問い合わせやすい雰囲気ができていると思います。実際、そういう会話になっていますし・・・」
F:「発表(私の発表)にもあったように、情報と感情の共有のバランスは重要だと思う。今はそれができてきていると思う。」
ユーザーの生の声が非常に興味深い。
「情報と感情の共有のバランス」というのは社内ブログの重要なキーワードであると思う。(このブログとは別の場で「共有の場と共感の場」と表現されている。)
北陸先端科学技術大学の梅本氏の論文で、「知識創造の場」について次のように説明されている。
場には、おおよそ共同化、表出化、連結化、内面化に対応した創発場、対話場、システム場、実践場の四つのタイプがある。 (中略) 創発場は、個人が自己と他者の境界を超越し、他者に共感する世界であるという意味で、実存的な場所である。この場から、個人の間での知識変換の基盤となる思いやり(ケア)、愛(ラブ)、信頼(トラスト)、そして献身的態度(コミットメント)が生まれてくる。
論文中であ、創発場は「顧客との接触あるいはトップの社内歩き回りのような、リアルな直接対面」と捉えられているが、社内ブログは創発場をバーチャルに実現する可能性があると考えている。
1.ソーシャルキャピタルの形成
ソーシャルキャピタルとは、社会的資本と訳される、コミュニティ内の信頼関係、相互支援のネットワークの広がりや太さを指す。
ソーシャルキャピタルが形成されたコミュニティでは、個人が能力を十分発揮しやすく、チーム内の連携プレーが成功しやすいといわれている。
要は、気心の知れた相手の方が仕事がうまく進む、ということだ。
社内ブログでは、プロフィール欄に記載されている経歴や趣味などで、相手の人となりを知ることができる。プライベートな内容を含むインフォーマルな記事に対して、コメントのやり取りをすることで、コーヒーブレイクで行われるような世間話がバーチャルに行われる。
社内ブログ上でのコミュニケーションを通じてソーシャルキャピタルが自然と形成される。
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http://mizukitanno.typepad.jp/blog/2005/07/post_d53a.html
社内ブログや社内SNSの導入目的やメリットを整理しようと考えているのだが、なかなかまとまらない。
とりあえず項目のみ箇条書きにしてみる。
1.ソーシャルキャピタルの形成
2.eメールの代替(情報のストックと整理/メールサーバーの負荷軽減)
3.日常的な気づきの共有
4.形式知の共有(情報の参照・再利用の促進)
5.議論の場の提供(電子会議室の代替)
6.トップマネジメントからのメッセージ伝達
7.組織が規定する情報フローのバイパス
各項目の詳細については、既存のグループウェアとの違いを含めて、追々整理していきたいと思っている。
担当業務に関してまず部内で議論したい。社内ブログを議論の場として使いたいが、他の部署の社員には当面議論の内容は公開したくない。一ユーザーとして、そう考えるときがある。
議論を非公開にするには、許可されたユーザーだけが記事を閲覧可能にするアクセスコントロールの機能が必要になる。
実現方法としては、次の二つが考えられる。
弊社のようなベンチャー企業では部署移動や組織編制が頻繁に発生する。1の方法では、組織編制のたびに組織の階層構造を再登録する必要があり面倒だ。
部課単位ではなく、タスクフォースでの議論の場として利用することも考えれば、2の方法が適している。
また、マトリクス型組織かピラミッド型組織か、どちらを前提にするかでシステムの設計が変わってくる。よって一般的にも2の方法が良いと思われる。
ブログなら、書きたい時に情報を書ける。読みたい人がいなくても書ける。ブログなら、見たい人が見ることができる。情報をほしい人が探しにいける。
ドリコム安藤氏のブログより。
「読みたい人がいなくても書ける。」というのは、ブログが情報発信しやすい理由の、本質を言い表しているように思う。これはプル型メディアとしてのブログの特徴だ。
たとえ経営のトップであっても、目の前の業務に追われている社員に対して、会社の理念や交遊録のような内容のメールはしにくいものだ。
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